これからプログラミング学習を始める初心者の方にとって、「どのプログラミング言語を学ぶか」というのは結構悩むことだと思います。
プログラミング言語は種類が多く、需要の有無問わずに数えると200種類以上あります。
需要がある言語だけに絞っても20種類以上と数が多く、初学者は「学びたいけどどの言語を学べば良いかわからない」という方もいるのではないでしょうか。
私は最初の言語として「Ruby」を選択しました。
今ではRubyエンジニアとしてコードを書いていますが、やはり最初の言語はRubyで良かったと感じています。
その理由も含め、Rubyの特徴やRubyを選ぶことのメリットについて解説していきます。
- Rubyでできること
- Rubyをおすすめする理由
- Rubyが学べる教材・スクール紹介
Rubyで何ができるようになるのか
Rubyは数あるプログラミング言語の中でも人気の言語の一つで、様々なWebサービスを作ることができます。
ここでは具体的なサービス例を挙げながら、初心者の方にわかりやすく解説していきます。
Webアプリケーション
ランキングや検索など多彩な機能を実装することができるので、様々な有名Webアプリケーションで使われています。
マッチングサービス
例:Airbnb
人と人、人と場所などを繋ぐマッチングサービスを作るのにも使われます。
人気急上昇中のサービス・AirbnbもRubyで作られています。
SNSサービス
世界中のエンジニアが登録するGitHubもRubyで作られています。
SNSサービス?と思われるかもしれませんが、Gitというコードのバージョン管理の仕組みとユーザー同士のコミュニケーションを掛け合わせたという意味でSNSサービスと言えます。
また今でこそ別言語に変わりましたが、あのTwitterも最初はRubyで作られていました。
動画配信サービス
例:Hulu
年々人気を増す動画配信サービスですが、そのうちの一つ・HuluもRubyで作られています。
初心者の方にRubyがなぜおすすめなのか
ここからは、具体的になぜ初心者の方にRubyがおすすめなのかについて述べていきます。
おすすめできるポイントは主に7つあります。
- 未経験者が習得しやすい
- 日本語の情報が充実している
- 定番教材がある
- 優れたフレームワーク【Ruby on Rails】がある
- 広い用途で使われており、案件が幅広い
- スタートアップ企業でよく使われている
- 多くのスクールで採用されている
順番に解説していきますね。
1.未経験者が習得しやすい
Rubyはプログラミングが未経験でも習得しやすい言語と言われています。
理由は、他のプログラミング言語と比べて比較的短いコードで処理が実現できるためです。
一般にプログラミング言語は「宣言文を書く」「コロン(;)をつける」などルールが多く存在し、簡単な処理を書くにも多くのコードが必要とされることが多いです。
その煩雑さがプログラミングを難しく見せ、挫折してしまう未経験者が多いように思います。
ただその中でもRubyは煩雑なルールが少なく、とても書きやすいです。
Rubyの生みの親である、まつもとゆきひろさん(通称:Matzさん)もインタビューの中でこのようにおっしゃっています。
Rubyは技術者が開発するときに、できるだけ楽できるように工夫しているんです。そのために、プログラムを書く量が減ったり、開発までの時間を短くできたり、クリエーティブに楽しめたりする。そういうよさを技術者が理解してくれているんだと思います。
出典:「言語の開発は自分の宇宙をつくる感覚」Rubyの生みの親・まつもとゆきひろの創造性 Yahoo! ニュース
一つ例を見てみましょう。”Hello, World!”という文字列を出力する処理を、RubyとPHPで書いてみます。
Ruby | PHP |
print “Hello, World!” | <?php echo “Hello, World!”; ?> |
このように、Rubyの方が短く簡潔に書けることがわかると思います。
またRubyは楽しく書ける言語とも言われています。Rubyの開発コンセプトがまさに「楽しく書けること」なのです。
先ほどのコードが短く書けることにも関連しますが、サクサク書くことができるので楽しく、煩雑な処理は組み込みライブラリなどに任せているおかげで楽に書けます。
以上のように短く、楽しく、楽に書けることは未経験者にとって非常に嬉しいメリットで、継続しやすい要因になります。
もちろん難しい処理を実現するためには複雑なプログラムを書く必要はありますが、それはどの言語でも同じです。
肝心なのは「とっつきやすさ」。それがRubyは非常に優れていると感じます。
2.日本語の情報が充実している
プログラミング学習をしていると、エラーなどでつまづくことが必ずあります。
そんなときにやるのがググるという行為だと思いますが、なかなか日本語情報が少なく、英語の情報ばかりヒットするということはよくあります。プログラミングが全世界で学ばれ、その大半の日常語が英語なのだから当然です。英語が得意であれば良いですが、未経験者にとってはやはりストレスなく読める日本語の情報が助かるものです。
そんな中で、Rubyはネット上に日本語情報が多くあります。なぜなら先述したようにRubyの生みの親が日本人であり、特に日本でよく使われている言語だからです。
エラーの解決方法もそうですし、他にも文法やメソッドがまとめられたリファレンス(Rubyリファレンスマニュアルやるりまサーチなど)も日本語で多く情報があります。これは未経験者にとって非常に助けになります。
3.定番教材がある
初学者の悩みの一つとして、「どの教材で学習すれば良いかわからない」というものがあります。
その点、Rubyには「まずはこれ!」という定番教材があり、スキルアップしていきやすいのが魅力です。
例えば、Ruby on Rails チュートリアルという初学者〜中級者向けのオンライン教材があります。
一からTwitterライクなアプリを作る過程が詳細に記載されたオンラインテキストで、なんと無料で読むことができます(Rails6版は有料)。
また丁寧な解説動画も有料ですが販売されていて、とても学びやすい教材です。
また技術書では「プロを目指す人のためのRuby入門」が有名です。
現役エンジニアの伊藤淳一さん(@jnchito)が書かれた本で、通称「チェリー本」と呼ばれています。初学者から中級者まで使える良書です。
このようにRubyには定番教材が充実しています。
私自身もこれらを駆使して学習しました。迷う必要がないというのは嬉しいものです。
4.優れたフレームワーク【Ruby on Rails】がある
フレームワークとは、「プログラミング言語で何かを作るとき、その開発作業を楽に行えるように一般的な機能をあらかじめ別で実装したもの」です。
言語ごとにフレームワークがあります。例えばRubyならRuby on Rails、PHPならLaravel、PythonならDjango…といった感じです。
このRuby on Railsを使うと優れた品質のWebサービスを短期間で開発することが可能で、Ruby開発者の間ではRailsを使うのが一般的です。したがってフレームワーク選定で迷わずに済むことも嬉しいところです。
5.広い用途で使われており、案件が幅広い
前の章で挙げたように、Rubyは非常に広い用途で使われています。「苦手なのはスマホアプリ開発と機械学習くらい」と言われているくらいです。
したがって例えばフリーランスとして独立したいとなった際に、幅広い案件から選ぶことができます。
これまではECサイトを作ってたけど、次はマッチングサイト/あるいは動画配信サービスを作ろう!と柔軟に選択できることもRubyを使うメリットです。
6.スタートアップ企業でよく使われている
一般に未経験者が大手企業やメガベンチャーへの転職を狙うことは難しく、狙い目としては少人数のスタートアップ企業になります。
Rubyはそういったスタートアップ企業でよく使われているので、転職との親和性も良いです。
7.多くのスクールで採用されている
私はプログラミング学習をするのにスクールへ通うことをおすすめしていますが、Rubyはやはり未経験者でも学びやすいこともあり、多くのスクールで採用されています。
スクールはそれぞれ特色があるため、複数の選択肢の中から自分と合ったところを選ぶのが理想です。
その意味でも、Rubyなら複数のスクールからじっくり選ぶことができるので良いと言えます。
Rubyのニーズ(転職や副業の需要)
実際、Rubyのニーズはどれくらいあるのか?について解説していきます。
転職の需要
各種求人サイトの言語別求人数を合算した数字をNojovtで調査した結果がこちらです(2020年7月18日時点)。
JavaScriptはフロントエンドで主に使われる言語のため、バックエンド言語してはJava, PHPに次ぐ3位でした。
Javaは金融系の大規模システムなどによく使われており、関わる人数の母数が大きいので数が多いのは納得です。ただなかなかこういった現場に未経験者が転職するのは難しいです。
プログラミング未経験の方にとっては先述の通り小規模のベンチャー企業が狙い目になります。その意味ではPHPかRubyの需要が高いと言えますね。
副業の需要
エンジニア案件を扱うレバテックキャリアで副業に絞った案件数を調べたところ、Ruby 32件、PHP 42件、Java 40件、Python 45件でした(2020年7月18日時点)。
Rubyはやや件数で劣りますが、それでも十分副業案件数があると言えるレベルかと思います。
初心者でもわかりやすくRubyが学べる学習サイトとスクール
最後にプログラミングが未経験の方におすすめの学習サイトとプログラミングスクールについて解説していきます。
学習サイト
Progateはプログラミングのオンライン学習サービスです。
Rubyに限らず様々な言語をわかりやすく丁寧に学べるのが特徴で、述べ利用者数は150万人になります。
「プログラミング学習を始めるならまずProgateから」という風潮もあるくらいメジャーなサービスになってきています。
基礎レベルのレッスンは無料、全てのレッスンも月額980円(税別)で受けることができます。
Rubyとは切っても切り離せないフレームワーク・Ruby on Railsをチュートリアル形式で学ぶことができます。
分量が多くテキストを読んでいくのは結構骨が折れるので、動画教材と併せて学ぶのがおすすめです。
■【基礎が学べる】プログラミング学習サイト10選
プログラミングスクール
TECH ACADEMY(テックアカデミー)
テックアカデミーはオンライン完結型のスクールです。
社会人は129,000円と比較的安価に受講でき、期間も1ヶ月と短期集中で学ぶことができます。
マンツーマン指導あり、オンラインチャットでの質問も可能など手厚いサポート体制があるので、挫折せずに学びやすいスクールと言えるでしょう。
DMM WEB CAMP(ウェブキャンプ)
DMM WEBCAMPは東京・大阪に教室を持つスクールです。
受講費は60万円超えでやや高めではあるものの、転職成功率98%、転職できなかった場合は全額キャッシュバック制度があるため安心です。
教室で仲間の存在を感じながら学習できることも大きなメリットだと思います。
POTEPAN CAMP(ポテパンキャンプ)
ポテパンキャンプは「3ヶ月で実務に通用するエンジニアを育てる」ことを掲げるスクールです。
カリキュラムのレベルがやや高めで完全初心者向けではないものの、ある程度独学を積んだ後であれば通えますし、かなりスキルアップすることができます。
未経験から自社開発企業への転職実績も多いので、そこを狙う人にはぜひおすすめのスクールです。
筆者(こうだい)
■Rubyを本格的に学べるプログラミングスクール5選!【現役エンジニアおすすめ!】
まとめ
本記事では主に下記項目について見てきました。
- Rubyでできること
- Rubyをおすすめする理由
- Rubyが学べる教材・スクール紹介
プログラミング学習する目的や、目指す将来像によって最適な言語は異なります。
ぜひこの記事を参考にしていただき、自分に合った言語を探してみてください!