2019年3月に発表された、2020年度から小学校でプログラミング教育が義務化されることに関心が高まる中、
小学生のお子様をお持ちの保護者様は、
- プログラミングって一体どんなことを教えるの?
- 教える教員はプログラミング経験者ではないでしょ?
- 実際にアプリ開発とかできるようなって、将来使えるスキルになるのかしら?
このように悩まれる保護者の方々もおられるかと思います。
事実、小学校でのプログラミング教育の必須を発表した文部科学省でも、明確にはプログラミングの授業内容などは公表しておらず、プログラミングについて詳しくない保護者の方は、プログラミングに対してのイメージが掴めないことでしょう。
そこで当記事では、現役のエンジニアが、プログラミングがさっぱりわからない保護者の方でも分かるように、小学校で教えるプログラミングのカリキュラムの内容や学習法についてご説明し、
小学校で教えるプログラミング教育が、エンジニアになることができたり、自分でアプリ開発できるようになることに直結しない理由をご紹介します。
この記事を読むことで、、、
- プログラミングについての基礎知識が全て分かる
- 2020年からの小学校でのプログラミング学習の内容が分かる
- 将来エンジニアを目指す小学生に必要な学習方法が分かる
そもそもプログラミングとは?小学生の保護者向け
この記事を読まれているほとんどの方は、現在小学生もしくは、これから小学校に通う予定のお子様をお持ちの保護者様が多いかと思います。
小学生のプログラミング学習の詳細をご紹介する前に、「プログラミングってそもそも何?」「プログラミングを勉強したらどんなことができるの?」と疑問に思う方も多いと思うでの、現役エンジニアの私が分かりやすく丁寧に解説します。
プログラミングはプログラムを作ること
プログラミングはプログラム(コンピューターへの指示書)を作ることを言い、
- プログラミングをする人→プログラマー
- プログラム(コンピューターへの指示書)を書く言葉→プログラミング言語
それぞれこのような意味になります。
もう少し噛み砕いてご説明すると、「プログラム」と言う言葉、どこかで聞いたことはありませんでしょうか?
小学校の運動会で「次のプログラムは綱引きです!」みたいなアナウンスを一度は耳にしたことがあることでしょう。
小学校の運動会における「プログラム」の意味は、「運動会の計画書」「次に行うことの道しるべ」と言う意味になります。
プログラミングにおける「プログラム」の意味もよく似ていて、「コンピューターに仕事をしてもらうための指示書」「コンピューターの処理を道しるべを作るもの」と言う意味になります。
コンピューターを動かすにはプログラミング言語を取得する必要がある
プログラミングは「コンピューターに仕事をしてもらうための指示書」と言うことはお分かりいただけたかと思います。
しかし、その指示書を日本語で書いてもコンピューターは動いてくれません。
コンピューターには認識できる言葉があり、それをプログラミング言語と言います。
つまり、プログラミング言語を習得することができれば、コンピューターと会話ができる(コンピューターに指示を与えれる)ことになります。
プログラミング言語は、一つではなく、英語や中国語のように、沢山の種類があります。
そしてそれぞれのプログラミング言語によって、コンピューターに与えれる指示の内容も変わってきます。
(プログラミング言語の例)
・Python(パイソン):コンピューターに学習をさせる言語、人工知能の開発が可能
・CSS(シーエスエス):文章を装飾したり、web上で図形を作れる言語
・PHP(ピーエイチピー):Facebookなどのアプリケーションのシステムを作る言語
つまり、世間一般で言う「プログラマー」「エンジニア」という人たちは、このプログラミング言語を勉強して、画期的なサービスを開発したり、今話題のAIを作っています。
比較.jp
もう一度まとめると、「プログラマーやエンジニアとして、将来息子に活躍してほしい!」と思われるなら、プログラミング言語を習得する必要があります。
小学生プログラミング義務教育の詳細
プログラミングについてご理解頂けたところで、2020年から義務化される小学校でのプログラミングの学習法について、現役エンジニアの立場からお話しようと思います。
比較.jp
エンジニア、プログラマーになるには、プログラミング言語の取得が必要ということを先ほどお伝えしましたが、2020年から始まるプログラミングの授業では「プログラミング言語」を教えてくれるのでしょうか?
結論から先に言うと、自分でアプリやサービス開発に繋がるような学習、すなわち将来使えるプログラミング言語は小学校では教えてくれません。
なぜかと言うと、そもそも教える教員側がエンジニアとして、アプリやサービス開発をして活動していたわけではないので、教えれるはずもありません。
教える立場の教員がどのレベルまで達して教えるのか分かりませんが、おそらく文部科学省から出されたマニュアルを勉強し、小学生に分かりやすく教えることでしょう。
→ 文部科学省が提供する小学校プログラミング教育に関する研修教材はこちら
小学生の「プログラミング的思考力」を鍛える教育内容
2020年からのプログラミング教育義務化の背景には沢山の意見があり、、、
- 子供の頃からパソコンや液晶を沢山見させて、目を悪くさせたくない
- プログラミングより、算数、国語、読み書をもっと重点的に教えてほしい
- まずはちゃんとコミュニケーションを取れるようになってから専門的な学習に取り組んでほしい
このようなプログラミング学習義務化に対する批判の声が多く、最終的な文部科学省の決定事項としては、プログラミング言語を教えるのではなく、「プログラミング的思考」を学ぶ位置付けになりました。
さらに、国語や算数のように科目が増えるわけでなく、既存の教科に「プログラミング的思考」を盛り込んで教育するという方針です。
まとめると、プログラミングという科目が増えるのではなく、既存の科目の中に「プログラミング的思考」を盛り込んで授業をするという形態になっています。
プログラミング的思考とは、論理的思考に似ていて、
この活動を実現させるためには、どのような要素の組み合わせが必要で、もし失敗したとしたら、どのように分析して、どのように改善するべきかなど、簡単にいうと「どのように」を考えることです。
プログラミング言語を習得する上で、「プログラミング的思考」を学習することは、現役プログラマーの私の立場から見ても賛成ですが、問題なのは、「プログラミング的思考」をプログラミング経験のない教員が教えれるのかに疑問を感じています。
「プログラミング的思考」は実際にプログラミングを書くことによって得れる思考能力であり、少し研修を受けただけでは、到底教えれるとは思いません。
また、「プログラミング的思考」はテキストと黒板の授業だけでは身につきません、実際に小学生が何かを作る過程の中で考え、実際に手を動かすことで身につくスキルなので、従来のテキスト+黒板の授業のスタイルでは難しいです。
プログラミングの授業は教える教員の力量次第ですし、どれだけその教員がプログラミングについて知っているかによって授業の質は大きく変わってくるかと思います。
小学校で実際にプログラミング言語を書いたりはしない
エンジニアやプログラマーになるには、実際にプログラミング言語を書いて勉強する必要がありますが、先ほどもご紹介したように、小学校ではコードを書いて何か作るといった授業はありません。
どのようにして、プログラミングを小学生に教えるかというと、テキスト(教科書)を用いて教えます。
こちらが、算数と理科の教科書の一部に書かれているプログラミングに関する内容です。
(日本経済新聞:プログラミングについて書かれた小学校の算数と理科の教科書(東京・霞が関))
このように、プログラミング専門の教科書があるのではなく、数学や理科の教科書の一部にプログラミングについて書かれています。
現役エンジニアの視点からこの教材について意見を言うと、プログラマーになってアプリ開発を行う目的であれば、このやり方では到底およびません。
なぜなら、「実際に手を動かして、プログラミング言語を書く」というが、最も最適な学習法で、私たち大人でもテキストだけずっと眺めていても一向にプログラミングスキルは上達はしないからです。
ビジュアルプログラミングを取り入れる学校もある
ビジュアルプログラミングとは、今世界中の小学校や年齢の低い子供向けのプログラミング教材として注目を集めています。
プログラミング言語を書くのでなく、パズルのように組み立てていき、何かプログラミングで動く物を作るというプログラミング学習法です。
Scratchはアメリカのマサチューセッツ大学の一グループ作った、小学生でも簡単にプログラミングが出来るソフトウェアで、プログラミング言語を書くことはせずに、ブロックを組み立てていきプログラミング処理を実行させる、パズルに近いプログラミング学習教材です。
①で処理内容を選ぶ
②で処理を組み立てていく
③で実行結果が表示される
Scratch のようなビジュアルプログラミング教材を導入すれば、ゲーム感覚でプログラミング処理を組み立てて学習することができるので、「プログラミング的学習能力」も身につきます。
しかし、ビジュアルプログラミング教材はiPadやパソコンが必要になってくるので、小学生に1人一台iPadを支給するかと言われれば、そうではありません。
公立の小学校ではテキスト中心の学習、私立学校ではiPadを支給しビジュアルプログラミングで学習をするという格差が生まれるのではないかと思います。
プログラミングという科目は新しく追加はされない
小学生はプログラミング義務教育となっていますが、「プログラミング」という科目が新たに追加される訳ではありません。
先ほど、教科書の画像をお見せしましたが、あくまでも算数や理科の一部にプログラミングという内容が加わるだけになります。
なので、6年間ずっとプログラミングの授業がある訳ではなく、1年間の授業のほんの一部にプログラミングの授業が取り入れられるイメージです。
つまり、これからプログラミングを勉強することになる小学生も「なんかプログラミングってそんな分野、数学や理科にあったな。」くらいの捉え方しかできないと考えます。
数学で例えると、「多角形の面積の求め方」くらいのボリュームで、勉強をする小学生本人たちでさえも、それほどプログラミングについて深く触れることはないでしょう。
したがって、冒頭でもご紹介したような、
- 子供の頃からパソコンや液晶を沢山見させた目を悪くさせたくない
- プログラミングより、算数、国語、読み書をもっと重点的に教えてほしい
- まずはちゃんとコミュニケーションを取れるようになってから専門的な学習に取り組んでほしい
このような自体にはならないので、保護者の方も安心していただけると思います。
しかし、反対に息子に将来エンジニアとして活躍を願う保護者の方は、小学校の授業だけでは到底およばないことがお分りいただけたと思います。
比較.jp
将来エンジニアを目指す小学生が学ぶべきこと
次に現役エンジニアの立場から、
- 「将来は優秀なエンジニアになって欲しい!」
- 「小学生の間に自分で何かアプリを作って、プログラミングの楽しさを息子に伝えたい!」
このように考える保護者の方々に、プログラミング学習における大切なことと、小学生でも楽しくプログラミングを学べる環境を提供しているプログラミングスクールをご紹介します。
実際にプログラミングのコードに触れることが大事
子供から大人まで、エンジニアやプログラマーになるためには、自分でコードをかけるようにならないといつまでたってもなれません。
↓プログラミングのコードというのはこのような物です↓
FacebookやAmazonなど全てのサービスやアプリはこのようなプログラミング言語でできています。
つまり、将来IT企業でエンジニアとして活躍するには、このプログラミング言語を論理的に組み立てていく力が必要になってきます。
しかし、小学校の授業ではこのようなプログラミング言語の書き方は一切教えてくれません。
そこで、基礎的なパソコンの使い方から実際にコードを書くところまで教えてくれる、ヒューマンアカデミーのプログラミング教室をご紹介します。
ヒューマンアカデミー
ヒューマンアカデミーはプログラミング初心者の小学生でも無理なく学ぶことができ、パソコンの使い方から、丁寧に教えてくれるので段階的に学びたい小学生にはオススメのスクールです。
プログラミングにおいて「考える力」はとても重要で、ヒューマンアカデミーはこの「考える力」を生徒たちに与える機会を多く設け、最終的には自分でプログラミングの改造を考え、作成できるレベルまで教えてくれます。
コース名 | 費用 | 授業数 | 対象 | 特徴 |
ベーシックコース |
受講料:¥9,600/月 | 月2回(90分) | 小学3年生〜小学6年生 | パソコンの操作から、プログラム作成の基礎を学べる |
ミドルコース |
受講料:¥9,600/ | 月2回(90分) | ベーシックコース終了 | 「考える」機会を多く設け、生徒が考え作成する |
自ら作りたいものを考え、作ることが大事
将来活躍するエンジニアになるには「クリエイティブな思考と、計画した事を形にする技術力」が必要になってきます。
世の中に価値の提供できるサービスやアプリを考え、どのようにすれば形にできるかを計画し、それをプログラミング言語によって形にしていきます。
アイデアが、形になって世の中に価値を提供する事こそが、プログラミングの醍醐味であり、プログラミングを勉強する意味でもあります。
そんな、「自分で考えて作品を作る」ことにフォーカスをおいて、プログラミングを教えている教室が、あの有名なIT企業であるサイバーエージェントが運営するTech Kids school です。
Tech Kids School
Tech Kids school はAmebaTVなどをプロデュースする、日本の大手IT企業サイバーエージェントが運営をする、プログラミング教室です。
生徒が実際にプログラミング言語を書き、iPhoneアプリを作ったり、ゲームを開発したりするのが特徴で、かなり実践的なスキルが身につく、将来エンジニアを目指す学生には超オススメのプログラミング教室です。
さらに、Tech Kids school のカリキュラムとして、毎日の授業で一つの作品を作ることになっているので、子供たちに自分で作品を0からつくる楽しさを教えれるので、とても評価が高いです。
コース名 | 費用 | 授業数 | 対象 | 特徴 |
教材費:¥2000/月
受講料:¥19,000/月 |
月3回(120分) | 小学2年生〜小学6年生 | 毎回の授業で作品を作る | |
時期によって異なる | 時期によって異なる | 小学生 | 短期間のプログラミング体験ワークショップ | |
¥14,880/年 | 自立型学習 | 小学生 | オンラインでいつでもどこでも学べる学習教材 |
プログラミングを好きになることが大事
そもそも、プログラミングを楽しいと思わなければ、プログラミング学習を続けることはできません。
大人のプログラミング学習の挫折率が8割と言われるほど、プログラミング学習は「どれだけ楽しいと思えるか」が重要になってきます。
そこで、教育のプロがいかにプログラミングの楽しさを生徒に教えれるかが鍵となってきます。
SMILE TECHでは選りすぐりの講師陣で教員免許を持った講師が多数在籍し、教育のプロがプログラミングを教えている教室です。
SMILE TECH
SMILE TECH は上記の2つのプログラミング教室と比べてもリーズナブルな価格でプログラミングを教えている事が特徴の教室です。
また、「SCRATCH / ロボット総合 / デジタルアート/ マイクラっち / ドローン / デザイン / アプリ開発」など多くのコースを取り揃えており、堅苦しい授業ではなく、ゲーム感覚でプログラミングを学ぶ事ができるので、プログラミングの楽しさを知る事ができます。
SMILE TECHは月謝制ではなく、いつでも好きな時に参加できるチケット制を採用しており、都合の良い時間に受講する事ができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか、今回の要点をまとめると
- 2020年からの小学校プログラミング義務教育は実用的な内容でない
- プログラミングという科目が追加されるわけではないので、学習時間が少ない
- 本格的にプログラミングを学ぶなら、プログラミング教室に行く
上記の3つになります。
IT業界の人材不足が深刻となる中、プログラミングの授業が小学校で始まりますが、
未来を担う小学生の息子さんに、「プログラミングの楽しさ」「考えて作品を作る経験」をプログラミング教室を通じて体験させてあげることも重要です。
ぜひこの記事を参考に、プログラミングに対する考え方、小学校でのプログラミング教育法にもう一度目を向け、考えてみてはいかがでしょうか。